島田荘司さん作『異邦の騎士』

島田荘司さん作『異邦の騎士』を読みました。

人気のミステリー小説『御手洗探偵』シリーズの第三作ですが時系列的には第一作です。

御手洗探偵とワトソン的存在の石岡さんの出会いのきっかけとなったお話しです。

これまでの作品をすでに読んでいる人には、こんな壮大な事件があったのかと驚くようなストーリーです。

この御手洗探偵シリーズの魅力は御手洗探偵と石岡さんのお話しの掛け合いの面白さだと思いますが、このお話しでもちゃんとそのシーンはあります。

推理小説の面白さはあっと驚くトリックや最後のどんでん返しが重要ですが、このシリーズを読むとキャラクターの個性も大事だなと思います。キャラクターが面白いから、このシリーズはこんなにも続いているんでしょうね。

作者いわく、この作品はデビュー作にするにはパンチが足りないとの事ですが、充分に凝ったプロットで読者を惹き込ませる文章もさすがでした。

推理小説らしいのは終盤くらいですが、中盤くらいからページをめくるのが止められなくなりました。中盤から話がぐっと広がっていくのですが、終着点がどこになるのか全く予想できませんでした。

推理小説としても面白いし、恋愛青春小説としても読めます。

切ないお話しで最後には泣かされました。

ミステリーで、感動ものを読みたい時にぜひどうぞ。

ただ、一つ残念だったのは時代背景が少し古いという事。60歳代くらいの人には懐かしいと思うけど、それより若い人には少し古く臭く感じるかもしれません。